きょうのけんか

スナック優

~~~♪



あら、いらっしゃい。

今日は遅めなのね。残業?


とりあえずビールって顔ね。
キンキンのグラスで出してあげましょ。



今日のお通しはね、ひじきよ。
え?ババ臭い?
そこは「ひじき、感激!」でしょ!
あ、そういうの要らない?


…ほんと残業の日ってご機嫌ナナメよね。


まぁいいわ。



疲れてるなら、もう話すのも怠いわよね?


じゃ、いつもみたく私勝手に話すわよ。







・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。






今日ね、彼と喧嘩っていうか、夕飯前にちょっと揉めたのよ。

いつものことなんだけどね。



私も彼もお互いトレーニング帰りだったの。

あれ?私がラテンダンスしてるの言ったわよね?
あ、彼?彼はクロスカントリースキーヤーなの。
でも今雪がないから、ローラースキーで一般道ぶいぶい言わせてるわ。


私、最近慣れない仕事引き受けちゃってね、しかも安価で。
ここ2日間PCと睨めっこでストレスMAXだったのよ。

でしょー?えらいでしょー?
しかも、そう、あなた私のこと良くわかってるわね!
ほんと手が抜けない性分だからさぁ~…

彼も彼で、フルタイムでお仕事がんばってるでしょ?
それでも英訳だったから校正手伝ってくれてたのよ。
優しいわよねぇ。


そうそう。
それで私が車に乗り込んで彼に電話した時、彼はちょうど家に着いたところだったの。
ちょっと話して、ハンバーガーをテイクアウェイするわねーって確認とって
速攻で電話オーダーして光の速さでピックアップして爆走安全運転で帰ったわけよ。

疲れてるだろうなーお腹空かせてるだろうなーと思ってさ。

ね?あなた私の段取りの良さと完膚なきまでの完璧主義知ってるでしょ?
電話からここまで1秒たりとも無駄な時間なんてなかったのよ。

あはは、想像できる?ちょっとアンタ笑い過ぎよ。
だからそう、とにかくパーフェクトだったのよ。



それでね、玄関のドアあけたらね、聞こえたのよ。

シャヮーーーーーーーーーーー

ねぇ、ちょっと待って?ってなるでしょ。
帰るまで30分近くあったのよ?
どうやったら今絶賛シャワー中になるの?


でもね、ポンコツ君の彼女やって2年近いのよ。
これくらいで怒るタマじゃないわ。

違うわよ、手術はタイでしたからもう付いてないの!
何回やらせるのよこのネタ!!!




とりあえず顔みせて、帰ってきたアピール。
そしたら、「おかえりー♡ごめーん!すぐ出るねー」
って言えばいいものの、第一声これよ。


『ハッ?!なんで!?』


さすがのあたしも、ちょっと不機嫌になるわよねー。


でもシャワーの長い彼としては珍しく、そのあとソッコー出てきたのよ。


そしたら、眼鏡をどこに置いたかわからないって言って、イライラし出したの。


彼、物無くす常習犯なのよ。男ってみんなこうなのかしら?
私の男遍歴からすると珍種なのよね…


とにかく、私としては、ここまで1回も彼から甘い雰囲気どころかなんの愛も感じてないわけよ。

それどころか、彼はどんどん不機嫌になっていくわけよ。


もうポテトとチキンはだいぶつまみ食いしていた私も
さすがに怒れてきちゃってね?
だって理不尽じゃない!
どうしてわたしが怒られてるような嫌な気分にならなきゃいけないのよ。

だから「眼鏡なくてもハンバーガー食べれるでしょ。私を待たせることより大事なことなんてこの世にあるの?」って厭味ったらしく言ったのよ。

そしたら『眼鏡なしだと眩暈がするかもだしゴニョゴニョ』とか可愛いことぬかすから、一緒に探したわよ。

だいたいどうやったらシャワー前に外した眼鏡をなくすのかしらね?
あ、でも彼ね、同じところに戻せない&探し出せないっていう両刀使いだから仕方ないのよね。



でね、もうそこから私完全にぶーたれ子ちゃんよ。
そう!ゆーちゃんじゃなくて、ぶーちゃん!

やめなさい!



そのまま喧嘩つづけて爆発してもよかったんだけどね?
私今日余裕あったのよ。日々お弟子仲間のブログ読んでるおかげかしら?
突然ふっとイライラのピークが抜けたから、優しく諭したのよ。


「あなたは、私に申し訳ないという気持ちでイライラしているのよね?
でもあなたがイライラすることで私は嫌な気持ちになっていくのよ?
それって本末転倒なんじゃないの?

私帰ってから1回もあなたから明るい声掛けをきいてないわ?
『ごめんねダーリン、眼鏡どこかわかんない!こんな時にごめん!でも早く君と美味しいバーガー食べたいから、探すの手伝ってくれないかな?』って明るく言ってくれたら、私だってそこまで冷徹な女じゃないのよ、探すし、待つわよ!」ってね。

あ、あとであみん歌うわ。




とにかく!!
彼の不機嫌スイッチはすべて私に対しての罪悪感だってこと、妙に納得しちゃったのよー!

罪悪感① 彼女が返ってきたのにシャワーが済んでない自分の段取りの悪さ
罪悪感② 私物を置いた場所を忘れるという彼女が嫌いな行為をしてしまったこと
罪悪感③ その私物(眼鏡)がなかなか見つからない
罪悪感④ 自分のイライラのせいで彼女を嫌な気分にさせてしまった。



もう罪悪感バリバリよね!でもこれって愛よね!不器用すぎてため息でるけど、彼の愛よね!


だから、本末転倒さを彼が理解したとわかった時から、私不機嫌モード終了させたわ。



ハァー…  え?ため息も出るわよ。これ日常茶飯事なのよ。
私ほんとは出来るオトコ、器用なオトコが好きなのよ?
どうしてこうなっちゃってるのかしら?

まぁね、今ノ私ニハ完璧ナ相手ナノヨネ。
え?棒読みすぎ?




うーん・・・まぁね。そうよ。彼には感謝してんのよ。
今までにないタイプだからね。
そうなのよ、甘えてるのよ、わたしも。だい~ぶね。


ほら、人生どの瞬間も学びって言うじゃない?

もっと優しくしてあげたいのに、厳しさを増していくばかりの自武女と一緒にいるんだもん彼もスキよねーーー!




ん?そうね、明日からもたくさん愛を注ぐわ。溺死するわよ、彼。

ってアンタ人のことはいいから、仕事もほどほどにして、彼氏の2人や3人作んなさい!


あ、ひじきおかわり?

なぁによ、やっぱり好きなんじゃない。

コメント

タイトルとURLをコピーしました